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入管庁、東京福祉大に在留資格の不付与措置

 東京福祉大学の外国人研究生が大量に所在不明となっていた問題を受け、出入国在留管理庁は同大学に新たに入学する外国人の学部研究生に対して在留資格「留学」を付与しないことを決定した。同庁は文部科学省とともに大学および専門学校に在籍する「留学生の在籍管理の徹底に関する新たな対応方針」を策定。このなかで留学生の在籍管理が不適切な大学を「在籍管理非適正大学」と定め、そこに入学を希望する外国人がいた場合、在留資格「留学」を付与しない措置を講じることを決定した。国策として留学生受け入れを開始して以来、初めての厳格な方針で、東京福祉大学は第一号の在籍管理非適正大学となった。これにより同大学は留学生の学部研究生を新規に受け入れることができなくなった。
 両省庁が6月11日付で公表した合同文書「東京福祉大学への調査結果及び措置方針」によると、3月26日から5月14日にかけて東京福祉大学の4つのキャンパスを5回に渡り実地調査した。その結果、「多数の留学生の安易かつ不適切な受入れや不十分な在籍管理が、大量の所在不明者、不法残留者等の発生を招いており、大学の責任は重大」(東京福祉大学への調査結果及び措置方針)と判断した。特に問題視されたのは所在不明者の人数だ。東京福祉大学は2016年度からの3年間で約1万2000人の留学生を受け入れたが、このうち約1600人が所在不明となっていた。所在不明者は2016年度・305人から2018年度・823人と倍以上に増え、学部研究生は授業の開講当初から94人が欠席、66人が所在不明となるなどずさんな履修指導がされていた。入学選考についても選考基準の日本語能力試験N2取得を下回るN3相当の留学生に合格を与えており、「実質的には日本語能力が足りずに大学に進学できない留学生の予備教育課程として運用」(同)していた。
 問題を招いた要因としては留学生の受け入れ規模に見合わない脆弱な組織体制が指摘された。2018年度は職員1人当たりの留学生の出願書類処理件数が194.7件、職員1人当たりの留学生数が100.6人に上り、職員不足に伴う業務の質の低下が確認された。2008年に逮捕され、その後、総長を辞任した人物がいまなお留学生の受け入れに関わるなど不透明な意思決定プロセスも問題視された。
 一方、今回の措置は出入国在留管理庁と文部科学省による状況把握の遅れが招いた結果にも映る。全国の大学には留学生の所在不明者などを報告する義務があるが、柴山昌彦文部科学大臣は「適正な入学者選考や在籍管理が行われて、適切な報告がなされていたという前提に立っていた」と主張する。一方で「的確な把握が遅れてしまい、結果として早期に必要な対応を逸したことは率直に言って問題があった」と述べ、政府にも責任の一端があったことを認めている。

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