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研究生が大量に所在不明、東京福祉大

 東京福祉大学に研究生として入学した留学生が1年間で688人所在不明となり、文部科学省(文科省)と法務省が実態調査に乗り出した。同大学は所在不明の留学生を除籍者として文科省に報告していたことから、留学生の在籍管理を怠っていた疑いがある。文科省と法務省は調査結果を踏まえたうえで「在籍管理が不適正であれば、東京福祉大学への留学生の在留資格申請の厳格化を図る」(柴山昌彦文部科学大臣)としている。
 全国の大学は留学生の「退学者」「除籍者」「所在不明者」を毎月、文科省に報告しなければならない。とくに所在不明者は在留資格「留学」の期限が切れたあとに不法滞在するおそれがあり、文科省は大学に留学生の在籍管理を徹底するよう求めている。文科省によると、東京福祉大学の2017年度の報告では「退学者193名、除籍者495名、所在不明者0名だった」(同)。そのため退学者と除籍者の合計が年間688人と認識していたが、国会などで提出された資料によると、退学者と除籍者は全員行方がわからず、事実上の所在不明者だった。
 東京福祉大学の外国人研究生制度は2016年度に開始したものの、過去3年間で退学者が約500人、除籍者が約1400人に上っている。留学生の多さから10か所以上のキャンパスで授業をしており、なかには公衆浴場と同じ建物の2階が教室となっている場合もある。また、2019年度入試から中国人留学生のみ初年次学費を値上げしており、「経費支弁能力が高い留学生からの学納金収入を確保したいがための制度設計だったのではないか」(都内の日本語教育機関関係者)との見方もある。
 一方、文科省が問題を以前から把握していたにもかかわらず、対応で後手に回ったのも事実だ。2018年には複数の外部関係者から同大学の留学生が所在不明となっていると通報を受けていた。同大学の教職員がこの問題について文科省に相談に訪れた際も具体的な措置は取らなかった。今回の実態調査はメディアや国会で取り上げられたことを受けて重い腰を上げたようにも映る。
 東京福祉大学は3月15日付でホームページにコメントを掲載。事実を認めて謝罪したものの、3月20日時点ではコメントが削除されている。

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